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歯垢(プラーク)は、歯の表面に付着した粥状の汚れで、柔らかく、簡単に落とすことが出来ます。この歯垢は、主に70〜80%が細菌です。この細菌には、いろいろな種類のものがいます。もちろん虫歯や歯肉炎、歯周病の原因菌も棲みついています。
また、最近では、この歯垢の中の細菌が、心臓や血管系の病気(動脈硬化、心筋梗塞、心内膜炎など)、糖尿、早産などとの関係も注目されてきています。(健康レポート第16回、第17回、第18回を参考にしてください。)
歯垢は、細菌と細菌の作り出した粘着性の物質からできています。この粘着性の物質は、歯の表面に細菌が付着しやすくなる働きと、中に棲みついた細菌が外からの影響を受けずに、増えるのを手助けする働きがあります。
また、虫歯菌もこの歯垢の中に棲みついているのですが、虫歯菌の作り出した酸(この酸で虫歯ができるのです。健康レポート第6回、第7回を参考にしてください。)
が、この歯垢の中では唾液で希釈されにくいため、虫歯になりやすいのです。
歯垢の成り立ちについて、説明しましょう。
まだ歯垢の付着していない清潔な歯面に、まず虫歯菌の代表であるミュウタンス菌のような連鎖球菌といわれる細菌が付着します。この細菌が、歯面に付着しやすい粘着性の物質を作り出します。そして、いろいろな細菌が、歯面に付着するようになってきます。
日にちがたつにつれて、付着してくる細菌も変化してきます。1週間もたつと、歯周病の原因菌も増えてきます。
このように歯垢が古くなってきて、病原性が高くなってきた歯垢を成熟歯垢と呼びます。