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健康レポート

第6回 喫煙と歯周病について

タバコを喫煙していると喫煙しない場合に比べて、歯周病に4倍かかりやすくなることが知られています。また、タバコの煙には多量の発癌物質や発癌促進物質が含まれ、口腔癌や肺癌、鼻腔癌の発生のリスクも高くなります。

さらに、タバコの煙には、多量の有害物質が含まれていて、心臓や呼吸器の機能障害などを起こすことも知られています。また、妊婦さんの場合には、未熟児や低体重児出産の可能性も高くなります。タバコを喫煙する本人だけの問題でなく、周囲のタバコを吸わない人にも受動喫煙として害を及ぼします。

≪もっと詳しく知りたい≫

歯周病のリスクファクターには、ストレス、口呼吸などいろいろありますが、この中でタバコの喫煙が最大といわれています。

ヘビースモーカーほど、歯周組織の崩壊も急速に進むといわれています。それは、タバコのニコチンが歯周組織を悪くするからです。その理由は、まずニコチンが、歯周組織の血管を収縮させるため、血行が抑制され、歯肉に炎症があっても出血などの炎症の症状が出にくく、気付かないうちに病状が進行してしまうこと。

さらにまた免疫を担当している白血球の機能をニコチンが抑制するため、歯周組織の免疫力が低下して、歯周病菌の攻撃に抵抗する力が弱まるためと考えられています。

不適切な手圧が加われば、歯や歯ぐきを傷めます。

歯周病の症状である、歯肉からの出血、歯肉の赤みを帯びた炎症などは、歯周病の警鐘です。

喫煙する人は、この警鐘が現れにくいため、歯周病の自覚症状を認識するのは、かなり症状の進んでしまった状態になってからになります。歯が動揺する、腫れて痛む、ものを咬むと痛むなどの症状がでてきた時には、すでに歯を支えている骨がかなり破壊されてしまった重症な状態になっています。

喫煙は、歯周病だけでなく口腔癌、喉頭・咽頭癌、肺癌、鼻腔癌や肺気腫などの呼吸器の疾患や、心筋梗塞などの心疾患などの原因にもなります。口腔癌は喫煙により3倍の危険が、喉頭癌は30倍の危険が、肺癌は4.5倍の危険があるといわれています。

さらに、タバコの悪影響は、タバコを喫煙している本人だけでなく、周囲のタバコを吸わない人にも及びます。

妊婦の方は、ご自分がタバコを喫煙しなくても早産や未熟児、低体重児出産などの危険性が高くなるそうです。

親が喫煙していると子供の歯肉に黒ずみが見られることがあるようです。ヘビースモーカーの夫を持つ奥さんは、夫と同じように肺癌などの危険性があるようです。

タバコの煙には、喫煙している人の吸う主流煙よりも、周りに漂う副流煙のほうがニコチンもタールも3倍以上多いとのことですので。喫煙する場合には、周りの方への配慮も大切です。