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健康レポート

健康レポート39回 『歯の基礎知識(4) 初期の虫歯について』

虫歯の進行の分類を 健康レポート第37回で説明しましたが、今回は、そのうちの初期の虫歯で、エナメル質といわれる歯の表面の硬い結晶質に限局した虫歯について説明させていただきます。

虫歯の予防では、初期の虫歯をどのようにして守るかがとても大切です。まず、虫歯のメカニズムから復習してみましょう。

健康レポート第7回で説明しましたように、虫歯は、虫歯菌が、砂糖などの糖質を利用して、酸を作り、その酸で歯の硬い石灰質を破壊することにより起こります。

ところで、健康レポート第9回で説明しましたように、歯を虫歯から守る働きをするものがあります。それは、唾液です。唾液には、虫歯菌の作り出した酸を中和する働きがありますが、その他に、唾液には多量の石灰質が含まれています。この石灰質が、虫歯菌の酸で溶けた歯の表面に再び吸収されれば(再石灰化)、虫歯菌の酸で侵された歯の表面の修復がなされます(元の歯のきれいな表面には戻りませんが、虫歯の進行は食い止められます)。

初期の虫歯では、歯の表面の破壊が始まったばかりで、このような再石灰化のメカニズムにより、虫歯の修復がなされると考えられています。
フッ素があると、再石灰化がされやすくなります。もちろん、歯の表面の歯垢清掃が十分にされていなければなりませんが。

このように、初期の虫歯の治療では、削って詰め物をするなどの処置ではなく、歯垢清掃とフッ素塗布が重要になることがあります。

しかし、初期の虫歯に見えても、実際に表面のエナメル質の一部に限られているのか、内側の組織まで進行しているのかで、治療の方法が違ってきます。内側に進行していれば、削って詰め物をするような治療になります。外見だけでは、進行の様子は分かりませんので、精査が必要となります。

初期虫歯