健康レポート第91回　　『お母さんとお母さんになられる方のための歯の基礎知識（13）』

乳歯の虫歯になりやすいところ

乳歯は、永久歯に生え換わります。生え換わる歯なので、痛くなければ虫歯を放置していてもかまわないという考えは間違いです。
乳歯の働きを考えてみましょう。

乳歯は、食物を噛み砕き、消化の手助けをするという働きだけでなく、永久歯が生えてくる時にきちんと生え揃うように誘導するための働きもあります。

乳歯が、生え換わりの時期（健康レポート第26回の永久歯の生えてくる時期を参照してください）よりも早くに失われたり、大きな虫歯になると、その後に生えてくる永久歯の場所が失われて、きちんと生えてくることができなくなる事があります。乳歯がその後に生えてくる永久歯の場所を確保するという働きがあるためです。

乳歯の虫歯になりやすい部位は下の図のように、上の歯の歯と歯の間と、上下の奥歯の歯と歯の間の噛み合わせの溝の部分です。

乳歯の虫歯は健康レポート第24回で説明させてただたように、永久歯に比べて歯の表面を覆っているエナメル質（歯の表面を虫歯の進行から守っている硬い結晶質の部分）が薄いため、虫歯の進行が早く注意が必要です。

おかしいなと思ったらば、歯科医院で見てもらって下さい。まだ歯の表面に穴が開いてないように見えても、相当に進んでいることがあります。痛みが出るようになってからでは遅いです。