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健康レポート

健康レポート第70回『糖尿病と歯周病について』

健康レポート第16回でも取り上げさせていただきましたが、今回は再び糖尿病と歯周病について説明させていただきます。

糖尿病は、血液中の糖の濃度がコントロールされないために、放置すると「糖尿病性ケトアシドーシス」を引き起こし、生命の危険の伴う意識障害などを引き起こす事が知られています。
その他、慢性の合併症として目の網膜症(糖尿病性網膜症)、白内障、腎疾患(糖尿病性腎症)、末梢神経障害(糖尿病性神経障害)などを生じ、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞なども起こりやすくなると言われています。
また、感染に対する抵抗力も低下するため、色々な疾患のリスクが高くなると言われています。

血液中の糖の濃度は、正常な場合には「インシュリン」というホルモンの働きでコントロールされています。糖尿病は、このインシュリンの働きが低下するために起こる病気です。
糖尿病には2つのタイプがあり、T型とU型があります。
T型の糖尿病はインシュリンの生産が低下していることにより起こるもので、
U型の糖尿病はインシュリンの作用が阻害される為に起こります

歯周病は、このU型の糖尿病と関係していると言われています。歯周病の炎症により「TNFα」という物質が作り出されます。この物質がインシュリンの働きを阻害することが知られています。 インシュリンの働きを阻害することで糖尿病を進めます。
また歯周病の治療により歯周病が治まると、TNFαが減少して、血糖値が改善されるということです。

また、糖尿病になると、感染に対する抵抗力が減少するため、感染症である歯周病にもかかりやすくなるし、重症化しやすくなりますが、またそれにより先ほどの理由で糖尿病の症状も悪くなるわけです。
このように、歯周病は糖尿病と関係が深いわけです。最近では、糖尿病の症状の改善のための歯周病の治療も注目されるようになってきています。