健康レポート45回　『ドライマウスについて』

唾液の分泌が少なくなり、お口の中が乾燥した状態になるのが、ドライマウスと呼ばれる症状です。唾液は、汚れを洗い流したり、粘膜に潤いを与え保護したり、抗菌力のある物質が含まれていたりします。また唾液には、健康レポート第9回でお話ししたように、歯を虫歯から守る働きがあります。

唾液についての詳しい説明は、またの機会にさせていただきますが、この歯を虫歯から守る働きとは、唾液には石灰分（リン酸やカルシウム）が多量に含まれていて、それが虫歯菌の作り出した酸による歯の石灰分の破壊（虫歯）を再石灰化という働きで修復する作用があることや、虫歯菌の作り出した酸を中和することで、虫歯になりにくくするという働きです。

ドライマウスになると、唾液の分泌が少なくなるので、お口の中が乾燥したということの他に、今お話ししたように、歯を虫歯から守る力が弱くなるので、虫歯にもなりやすくなります。また、同様に、細菌の活動が強まるために、歯周病も進行しやすくなります。

お口の中の清掃と定期的な歯科の受診が必要となります。このドライマウスは、服用している薬の副作用でおこることもあります。

また、口で呼吸する場合も同様です。精神的なストレスにより、ホルモンのバランスが崩れたり、更年期などのホルモンのバランスの崩れる時などでもおこることがあります。

症状の緩和のために、ゲル状の物質で唾液の代用になるようなもの（人口唾液）を、お口の中に塗るような方法があります。歯科医院等でお求めいただけます。

このようなお口に潤いを長期間与える製品としては、GC社のオーラルアクアジェルという商品や和田精密社のオーラルバランスという商品があります。いずれもチューブに入ったゲル状のもので、お口の中に塗るものです。