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今回はインフルエンザについてお話させて頂きます。
インフルエンザウイルスの表面には、ヘマグルチニンというたんぱく質とノイラミニダーゼという酵素が並びウイルスの感染増殖に深く関わっていると考えられています。
インフルエンザウイルスは、ヘマグルチニンで人の細胞に結合して細胞内に取り込まれます。ここから感染が始まります。
この取り込まれた細胞の中でウイルスは増殖しますが、増殖して新たに作られたウイルスは、この細胞にヘマグルチニンで結合しているため離れることができません。
この結合をノイラミニダーゼが切り離すために、感染細胞からウイルスが飛びだして感染が拡大していきます。ノイラミニダーゼは、感染拡大の大きな役割をしています。
ところで、口腔内細菌の一部がこのノイラミニダーゼを産生しており、それもインフルエンザウイルスの感染拡大を促進する可能性が考えられています。
ちなみにこのノイラミニダーゼの働きを阻止する働きのあるものが抗インフルエンザ薬として使用されています。
長野県塩尻市における歯科検診受信者を対象とした調査で、口腔衛生状態が良好な者に比べて不良な者では、インフルエンザ発症のリスクが高まることが報告されています。
また高齢者に対する口腔衛生管理を実施した結果でも同様に口腔衛生管理されているほうが、インフルエンザ発症が抑えられたとのことです。
そのことから、口腔内の衛生管理がインフルエンザ予防対策の一つとなるのではと考えられています。
参考:日本歯科医師会雑誌 2024 Vol.76 No.10