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健康レポート

歯と健康の基礎知識 第115回
『オミクロン株は ただの風邪ではありません!(1)』

新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の第7波の拡大で、多くの方が感染し、多くの死亡者が出ています。岡山県でも、毎日3,000人が新規感染し、数人が亡くなっています。政府は何の対策も講じずに、何を目指しているのでしょうか?

また、巷では、この感染症が、ただの風邪のようなものだという、楽観論が広がっております。WAOから、『日本が世界最大の感染国で、この感染症は多くは無症状または軽症であるとのことで、対策を怠っている』ことに勧告が出ています。
多くの日本人の方は、今までの経過で、日本はコロナウイルス感染症についての優等生だという意識が潜在的にあるようですが、本当にそうなのでしょうか?

軽症・無症状 についての勘違い

実は、多くの方がイメージしている軽症・無症状ということと、新形コロナウイルス感染症の症状の分類は、かなり異なっています。軽症は、少し熱が出てすぐに治る、中等度は、もう少し悪いかもと思っていませんか?

厚生省の分類

●重症
集中治療室での治療や人工呼吸器が必要
●中等度
呼吸困難 酸素投与必要  肺炎の所見
●軽症
肺炎の所見なし

高熱が続く、息苦しい、頭痛や吐き気がつらくて起きられないなど、かなりつらい症状が何日も続いても軽症や無症状の分類です。中等度になれば、生命の危険にもさらされます。
そもそも、検査を受ける時は、感染者の濃厚接触者であったり、感染初期で、多くの方が無症状のため、発表では、ほとんどが無症状ですが、その後に症状が出てくることが多くなります。感染した方からは、かなり辛かったことを聞きます。
厚生省によると コロナウイルスの重症化率は1.6% 死亡率は1.0%とのことです。ただの風邪で、これだけ、生命にかかわるものがあったでしょうか?

7波のピークはいつか?

名古屋工大のAI予想では、8月6日が、日本の7波のピークで3万9000人の感染者ということでしたが、現在はまだまだ増えつづけて25万人まで到達しています。

データからの考察
一日当たりの
感染者・死亡者
人口10万人当たりの
感染者(週)
致死率
日本 25万人・250人 1450人 急上昇
アメリカ 10万人・400人 200人 平均 1.12%
韓国 2万人・70人 280人 平均 0.12%
全世界     平均 1.09%

日本は、世界でも致死率が低かったのですが、東京大学ゲノムAI生命情報倫理研究コアによると8月に入り急上昇してきており0.1%に近付きつつあるとのことです。1000人に1人死亡するわけです。
多くの方が、マスクをしたり、密集を避けて生活していながら1000人に1人り亡くなる風邪などあったでしょうか?
また、この感染症の後遺症で長いこと苦しんでいる方も多数おられます。

アメリカCDCの勧告とマスク

アメリカのCDCは『感染者と接触した者は、最後の接触から5日間明けて検査をすること、また10日間は高性能のマスクを着用すること』とあります。欧米の国は、マスクをしなくてよいというような報道で、一般の方は、欧米はマスクの使用が勧められていないと考えがちですが、マスクをそれもN95のような高性能のマスクの使用を勧めています。

マスクは、健全な人が、感染をしないように守るだけでなく、感染者が他の人に二次感染を起こさないためにも大切です。特に後者の場合が、議論の上で欠けているように思われます。
マスクの使用を軽視する考えは危険です。飛沫接触を防ぐには、風の向きを考慮して5m以上の距離を保つ必要がありますが、それができなければマスクの着用は必須です。

日本の感染急拡大も、厚生省が熱中症回避のためのマスクの使用についての意見を出してから、急速に加速したように思えます。
『密集せずに,穏やかにすれ違うような場合や会話のない場合には、通勤時にマスクの利用は必要ない』ということを勘違いして、学童の集団登下校時にマスクを必要ないとするような解釈がその例です。当然大声で騒ぎながら半分ふざけながらマスク無しに登下校すれば、その中に感染者がいれば、二次感染を引き起こします。
身の回りの感染事例からも、子供が学校やスポーツクラブで感染し、家庭に持ち込み、家庭内で二次感染を引き起こしているケースが多数見受けられます。

以上のように、私は、新型コロナウイルス感染症を単なる風邪と考えたり、有効なワクチンや有効な治療薬が充分にあるインフルエンザと同類に分類することに違和感を感じます。
治療法も確立されておらず、治療薬も日本では入手困難な状態で、有効でもないワクチンを接種するだけの方針では感染拡大が広がるばかりで、政府の経済優先政策も効果なく悲劇が起こるように思えます。

2022年 8月12日