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健康レポート

健康レポート61回『歯周病・虫歯と口腔清掃(ブラッシング)について(U) ―歯垢の成熟―』

歯垢の中の細菌は、清掃状態などによりその種類、割合が変化します。
歯垢の蓄積が長期に亘る場合と、清掃の行き届いた場合では、細菌の種類と割合は異なってきます。
まずは、きれいに清掃された歯の表面に、歯垢の形成される過程を説明させていただきます。

きれいに清掃された歯の表面には、最初に唾液の中の成分の糖タンパクが付着します。清掃をしないでいると、さらにこの上に細菌が付着して増殖していきます。

初めに付着する細菌は、口腔レンサ球菌です。この口腔レンサ球菌の代表的なものが虫歯菌のミュータンス菌です。
この口腔レンサ球菌は、歯の表面に付着しやすくなるような粘着性の物質を作り出します。 この粘着性の物質で口腔レンサ球菌自身も歯の表面に付着しやすくなるのですが、他の細菌も付着しやすくなります。
そして、いろいろな細菌が歯の表面に棲みつき歯垢を形成していきます。

3日目ぐらいまでは、この口腔レンサ球菌のような細菌が、歯垢の主な細菌です。

5日目ぐらいになると、糸状菌といわれるような細菌が増えてきます。この糸状菌といわれる細菌には、歯肉炎と関係の深い細菌が含まれます。

更に、7日目ぐらいになると、嫌気性グラム陰性梓菌や運動性桿菌とよばれるような細菌が現れてきます。この細菌の種類には、歯周病の細菌が含まれます。
このころになると、細菌の種類や割合が一定になり、これからさらに日が経っても細菌の種類や割合にあまり変化が見られなくなります。
この時期の細菌を、成熟歯垢と呼んでいます。

初めの内は、虫歯菌の代表のミュータンス菌のような腔レンサ球菌がほとんどですが、7日目になると、歯周病菌に代表されるようなグラム陰性桿菌や運動性桿菌が現れてきます。
このことを考えると、虫歯菌に対する歯磨き歯周病菌に対する歯磨きは、違ってくることがわかります。