健康レポート43回　『歯の基礎知識（7）』

象牙質知覚過敏症

歯磨きをした時に、歯ブラシがあたると痛んだり、冷たい水がしみる原因の一つに、象牙質知覚過敏症というのがあります。

歯は、次の図のような構造になっています。
歯の表面は、エナメル質と呼ばれる硬い結晶質で覆われています。このエナメル質が歯を守っています。

歯周病などで、歯肉が後退（低くなる）してくると、図のようにエナメル質で覆われていない歯の根の部分が露出してきます。象牙質は痛みを感じる組織なので、このようになると象牙質が露出して、歯ブラシがあたると痛んだり、冷たい水がしみたりするようになることがあります。これを象牙質知覚過敏症と呼びます。

この象牙質知覚過敏症は、歯ぎしりや間違ったブラッシングによる象牙質の摩耗によってもおこります。
象牙質知覚過敏症は、虫歯でなくても、歯がしみたり痛む原因の一つですが、同様に虫歯でなくても歯がしみたり、痛んだりする症状は、歯に亀裂が入ったり、歯の神経（歯髄）が変質していく時にもおこります。この場合には、症状が進むと、激しい痛みや腫れる事もあります。きちんと歯科医院で診断してもらうことが大切です。