第15回 歯周病について（4）

�W　全身の病気と歯周病

歯周病は、歯垢（歯の表面に付着している汚れ）の中に棲みついている歯周病菌によって引き起こされる感染症であることをこれまでお話しました。

ところが、さらにこの歯周病菌は、お口の中だけでなく、全身的な病気にも関係していることが知られています。

それは、歯垢の中の、歯周病菌が作り出した、炎症を起こす物質や、歯周病菌自体が、歯の周りの組織（歯周組織）の血管に入り込み、全身にまわり、いろいろの臓器での疾患に関係するというものです。糖尿病、心臓・血管系の病気（動脈硬化、心筋梗塞、心内膜炎）、低体重児出産といった病気と関係しているとされています。

また、高齢者の方では、誤嚥により、お口の中の細菌が肺に入り込み肺炎（誤嚥性の肺炎）になることもあります。

お口の中の細菌は、お口の中だけの病気の原因でなく、全身の病気とも関係しています。全身の健康のためにもお口の中を清潔にすることは大切なことです。

次回から、もう少し詳しく説明していきます。