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健康レポート

第2回 歯磨剤の上手な使い方

T.フッ素入り歯磨剤と虫歯予防について

効果的な利用方法は

  1. @ フッ化物配合歯磨剤は500ppm以上の濃度のものを利用する
  2. A 歯磨剤は歯ブラシの刷毛部の長さの半分程度にする
  3. B ブラッシング終了後の洗口は4秒ずつ3回を限度とする
  4. C ブラッシング直後の飲食は控える
≪もっと詳しく知りたい≫

フッ素の虫歯予防の効果について考えてみましょう。

1回目のレポートでお話したように虫歯は、プラークの中の虫歯菌が糖を利用して酸をつくり、その酸で歯の表面の硬いエナメル質が破壊されていく現象です。

この酸による破壊に抵抗する作用がフッ素(正確にはフッ化物)にあります。最近の研究では、低濃度のフッ化物イオンが歯の表面あるいは歯の硬い成分を作っている結晶の周囲に吸着して、イオンコートとして被覆することで酸からの破壊から歯の表面や歯の硬い結晶質を防護していると考えられるようになってきています。

また同様に、フッ化物イオンはカルシュウムイオンや燐酸イオンと働き歯の表面や硬い結晶質の再石灰化にも働きます。

フッ素の効用

先進国における永久歯の虫歯の急激な減少に最も貢献しているのはフッ化物配合の歯磨剤と評価されています。虫歯予防のセルフケアとしてフッ素入りの歯磨剤の利用は大変効果が高いものと考えられています。

フッ化物配合歯磨剤を利用する場合は500ppm以上のフッ化物濃度が必要で、濃度が低いほど効果は低下すると考えられています。

またフッ化物使用後に再石灰化促進能のある唾液中フッ化物濃度をできるだけ長時間維持させることが大切ですので、ブラッシング後の過剰の洗口、飲食は避けなければなりません。

さらに、歯磨剤には研磨剤の配合されているものもあります。特に研磨剤の粒子の粗いものは歯の結晶質を磨耗しますので歯磨剤の量も問題になります。出来れば低摩耗性のものを使用してください。

また添加されている発泡剤、香料(ミント味)などはお口の中で泡だらけになったり、刺激があるので、十分時間をかけてブラッシングすることの妨げになることがあります。歯科専用の歯磨剤は、これらのことを考慮して作られています。